大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

仙台高等裁判所秋田支部 昭和40年(ネ)125号 判決

控訴人 宮原邦助

被控訴人 検事総長 外一名

訴訟代理人 青木康 外二名

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

控訴人は、「原判決を取消す。本件を秋田地方裁判所湯沢支部に差戻す。」との判決を求め、被控訴人等代理人は、控訴棄却の判決を求めた。〈以下省略〉

理由

控訴人は本訴において、自己に対する刑事事件の捜査の際、捜査担当検察官に反証の意味で任意提出して領置された(刑事訴訟法第二二一条)郵便四通の返還を求めていると解せられるところ、領置も押収の一種であるから、その返還を求めるには、刑事訴訟法第四三〇条第一項に規定する刑事訴訟手続(準抗告)にのみよるべきもので、民事訴訟上の救済は求めえないものと解すべきであるから(同条第三項)、本件訴はその余の点を判断するまでもなく不適法として却下を免れない。

原判決は理由を異にするが、結局本件訴を不適法として却下しているので、民事訴訟法第三八四条第二項により本件控訴を棄却することとし、控訴費用の負担につき同法第九五条、第八九条を各適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 岩永金次郎 新海順次 猪賀恒雄)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例